2度目の業務改善命令が出たcoincheckの和田CEOと大塚COOによる記者会見が、本日(2018年3月8日)16:00より17:30に行われました。
最後の方の質疑はabemaTVでリアルタイムで見ましたが、改めてYouTubeで見直しするのでついでに内容をまとめてみます。
会見内容はYOUTUBE内のアベマTVの公式チャンネルで見ることが出来ます。
https://youtu.be/wA3QhXNQrqA
coincheckの記者会見
おおよその内容としては当初のプレスリリース通りXEMは88.549円にて来週を目途に補償を行うこと。
他のアルトコインの取引についても順次再開を行っていく事は発表されました。
盗まれたXEMの金額や内容を見ても、待ってる立場から見るとやっとという印象がありますが、かなり早い対応ではないかと思います。
1月26日に不正送金されたNEMの補償について
総額 : 5億2300万XEM
保有者数 : 約26万人
補償方法 : NEMの保有者全員に、日本円でコインチェックウォレットに返金いたします。
算出方法 : NEMの取扱高が国内外含め最も多いテックビューロ株式会社の運営する仮想通貨取引所ZaifのXEM/JPY (NEM/JPY)を参考にし、出来高の加重平均を使って価格を算出いたします。算出期間は、CoincheckにおけるNEMの売買停止時から本リリース時までの加重平均の価格で、JPYにて返金いたします。
算出期間 : 売買停止時(2018/01/26 12:09 日本時間)〜本リリース配信時(2018/01/27 23:00 日本時間)
補償金額 : 88.549円×保有数
補償時期等 : 補償時期や手続きの方法に関しましては、現在検討中です。なお、返金原資については自己資金より実施させていただきます。
引用元:http://corporate.coincheck.com/2018/01/28/30.html
会見の内容について
記者の方々へ資料が配布され会見が始まりました。
まず和田CEOより挨拶。
今回の一連の件についてのお詫びと業務改善命令を受けたことを発表し、改めて謝罪がありました。
原因と対策について
大塚COOより、今回の事案の原因と対策について説明がありました。
各省庁、外部5社のセキュリティ専門家との取り組みによりサービスの安定が確認されたために再開の目途が立ったとの事。
- 原因は外部メールに含まれたマルウェアの感染によるもの。
- 感染したマルウェアによってネットワークより侵入。
- XEMサーバーにアクセスされ秘密鍵を盗まれ不正送金された。
対策として
- 改めてPC、ネットワークを準備
- ネットワークの再構築を行った。
- 入口出口のセキュリティの強化。
- サーバーの再構築、全く新しいものにした。
- 端末を新たに購入し新しい環境での再開。
- 外部委託による常時監視をおこなう。
サービス再開に向けてコールドウォレット内で取引ができるように準備を進め、対策が出来たものから再開する。
システム管理体制について
- 金融機関出身のCISOを設置しシステムのセキュリティの強化・教育を行う
- セキュリティ管理対策委員会の設置
- 内部管理体制の人員強化
経営体制管理体制について
電話対応のサポートチームの設置。
来週中を目途にサービス再開の内容を随時発表を行う。
最後に
サービスを停止していることに対するお詫び。
質疑応答
質疑応答について抜粋して記載していきます。
結構くだらない質問があったり、マナーとしてどうなのかという記者がいました。
しつこく質問を追加したり、退任を求めるような言動があったりやめてほしいですね。
補償内容について
- XEMについては日本円での返金で変更はない。
- 来週中にアカウントへ反映させる予定。
- 補償レートについて以前のリリース通り。
- 総量について以前発表した他にもあったため変動している。
- 他の仮想通貨凍結による損失補填は規約により補填しない方針。
- XEMの現物で返還しないのは、マーケットへの影響と実現性を鑑みて今回の方針となった。
- 加重平均により算出したレートである。
メールについて
- 過去にあった内容と同様であることは確認できていない。
- 社員の複数人の端末がマルウェアに感染した。
- フィッシングメールによるもの。
- coincheckを特定して対象に送られたもの。
- 会社所有のPCが感染した。
- 社内教育を行っていたが複数人がメールを開封してしまった。
- 発信元については捜査上お話しできない。
- 事前に兆候はなかった。
財務状況について
- 取引所では手数料等のマージンは受け取っていない。全体の取引量の80%
- 販売所のスプレッドによる収益がある。全体の取引量の20%。
- 自社での仮想通貨の保有や投資は行っていない。
- 財務状況の開示は考えていないが、XEMを補償する資産はある。
資金管理について
- 分別管理を行っており順次出金対応を行っている。
- coincheckで保有していないものを売買した事実はない。
- 仮想通貨も含めて分別管理を行っている。
サービス再開について
- アルトコインの引き出しも確認が取れ次第順次再開する。
- サービス再開・継続は可能と考えている。
業務内容について
- ボリュームが一気に上がり対処が間に合わなかった。
- ホットウォレット上で扱っていた。
- 運用を行える状態を維持することが当時資産の保護と考えていた。
- CISOに当たる社員は内部の者と外部から招いたスタッフで設置した。
- 今回の業務改善命令は経営体制、内部管理体制による内容。
- 人員の募集は行っていたが、人員が不足している状況であった。
- お客様の資産を順次お返ししていく。
- 匿名性の高い通貨についてリスクの洗い出し確認を行う。
- 取引上要件を満たすべく業務を進めている。
- 資本提携は選択肢の一つとしてはあるが具体的に進行しているわけではない。
- XEMを取り扱いを始めたのは取引機会を増やすため、その後の取引拡大に人員が足りなかった。
- 内部管理体制・経営体制が整ってから、TVCM・レバレッジ取引の実施を検討していく。
- 現在170万アカウントがあり、2017年12月には3兆8000億円の取引(販売所・取引所)があった。
上記についての質疑応答がされ、会見が終了しました。
まとめ
coincheckの今回の騒動について、やっと収束が見えてきました。
セキュリティと管理体制を整え次第、順次取引再開していくようです。
初回の記者会見に比べて、話ができる内容がかなり多くなり、アカウントを持っている方も安心できる内容だったと思います。
おおよそのところは来週中に結論が出そうですね。
今回の件で弁護団を作って訴訟という話もネット上で見受けられますが、徒労に終わりそうですね。
今回の内容以上の補償はないでしょうし、コインチェック側も弁護士と検討していますので、レートが下がっている点で納得いかない部分もあるでしょうが、倒産・補償なしみたいな事にならなかったのでかなりいい終結を迎えそうですね。
私は小額投資家なので弁護士を雇って長期的に争ったりなどは全く考えていません。
XEMホルダーは現在のレートを考えると、倍以上の価格で払い戻されるので保有しなおすのであれば枚数を増やせますし、他の通貨も下がっているので保有できる枚数も当時に比べると有利になっている通貨もあるでしょう。
個人的には満足いく会見内容でした。
今後はセキュリティが強化された取引所になりますので、みなし業者から登録業者になった時点では信用できる取引所になると考えています。
終わりに
前回の期初会見や、今回の冒頭の記者が解任をあおるような質問を投げかけていましたが、責任を取る=解任という構図が日本ではよく見られます。
責任の取り方というは本来過ちに対して改善を行い、より良いサービスを行っていく事だと思います。
議員なども不正を行ったなら仕方ないですが、ちょっとした失言程度で解任させたりという世論あおり、マスメディアの動きは非常に不快です。
この伝統的な腐った風土はあらためてほしいですね。
企業の人事に口出しするマスコミは株主になってからやりなさいよと思いますね。
コインチェックの和田CEO・大塚COOには頑張って今の局面を乗り切ってほしいと思います。